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鞠生松原
【まりふのまつばら】


防府(ほうふ)市三田尻地区にあり,桑山の南東,旧海岸線砂堆上にある松原。江戸期までは鞠生浦と呼ばれ,海岸沿いに500mほどの松原が続き,南に向島,西に田島を望む景勝地であった。元禄元年の三田尻自力開作以後干拓が進み,松原は内陸に封じ込められ,旧海岸線の位置を示すこととなった。「注進案」には「長五町半に幅広き所壱町余りより狭きハ拾間余りあり,小松原ハ長三拾四間位あり」とある。康応元年今川了俊は「鹿苑院殿厳島詣記」で松原の情景を描写し,小さい社があると述べているが,これが現存の厳島神社である。「地下上申」には,かつて松原の西に琳聖太子の御所があったと記している。現在,松原は華浦小学校の裏から西の方へ400mほどが住宅地の中でまばらに残るのみである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7194544