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山代
【やましろ】


玖珂(くが)郡北部と都濃(つの)郡北部の地域名。錦川上流の都濃郡鹿野(かの)町や玖珂郡錦町,中流の玖珂郡美川町・美和町・本郷村などの山村地帯にまたがる地域。近世初頭,萩藩は2郡にわたって山代宰判を置き,延享4年奥山代・前山代の2宰判に分けた。もともと山代とは玖珂郡北部一帯の総称であるが,萩藩特産の和紙と錦川による河川交通,人の交流との関係で都濃郡北部が包含された。地形的には,1,000m級の大起伏山地と広い面積を占める中起伏山地からなり,その間に錦川の氾濫原が見られる。周防(すおう)山地に属する一部は山代高原と呼ばれ,丘陵性の山地をなす。これらの地域は平野に恵まれず,江戸期には,楮・三椏を栽培し,和紙(山代紙)を貢租として納めていた。昭和40年代から急激な過疎化現象が起き,林業に活路を求めて植林された森林も若者不足で手入れをされないまま放棄されている所もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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