100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

天行山
【あまぎょうさん】


名西(みようざい)郡神山町と美馬郡木屋平(こやだいら)村を結ぶ川井峠の北西方約1kmの地点にある山。標高925m。川井峠から東宮山を経て,神山町と木屋平村との境界線をなしつつ「つ」の字形に奥野々山まで続く山稜から400mほど木屋平村に寄る。頂上付近は原生林に覆われている。山頂に近い洞窟には砂岩に彫られた本尊の弘法大師座像がある。山腹の垢離取川から天行院(大師庵)まで約200mの間,3m幅の石段がまっすぐに作られている。昔,村人が気付かない間に誰かが一夜で築いたという。また一説には弘法大師が一夜で築いたという伝説もある。「一夜建立の石段」として名高い(木屋平村史)。山中の岩棚に地蔵像・観音像・金剛大師など約40基の石像が各所に祀られているが,その多くは明治期のもので,古いものでは宝暦6年の常夜灯,天明7年の舟型地蔵石像がある。大北のお大師さんと呼ばれ,昭和初年までは,年間1万人を超える参拝者があった。地質は三波川帯に属す。頂上周辺はブナなど広葉樹の原生林で,クロモジ・アセビ・オンツツジ・スノキなどが見られる。登山道は川井峠から約30分。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195065