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御朱印谷山
【ごしゅいんだにやま】


那賀郡木頭(きとう)村の西部にある山。四ツ足堂の南東約5kmに位置し,千本谷と南川に挟まれる。標高1,218.0m。山名は南東方向に流れる御朱印谷の源流の山の意である。「木頭村誌」には,御朱印谷は「ごしんだに」と呼び,藩政期の土地所有状態から名づけられた名であろうと推定している。谷の呼称も現在は「ごしゅいんだに」が一般的である。同書には村内の主な山岳としては御朱印谷山の名はないが,大字折宇の小字として御朱印谷山の名が見える。昭和40年代の地形図に山名が初めて記載された山である。山頂から1km南西に寄った地点に1,262mの無名のピークがあり,土地ではこのピーク一帯を猪ノ山と呼ぶ。現行の地形図にも,ピークの南東の谷に猪ノ山谷の記載がある。千本谷から高知県安芸市へ抜ける林道が走る駒背トンネル近くの県境1,310mのピークから北東方向へ,池野河山―猪ノ山―御朱印谷山と続いている。地質上は四万十帯に属す。標高1,100m以上はブナ帯であるがそれ以下は針葉樹の人工林である。谷ではイワユキノシタ・エビラシダ・モミジバセンダイソウ・ギボウシランなどの珍しい種類も多い。東麓の集落宇井ノ内の聖神社には血ノ池がある。この池には,昔弟子に斬殺された師がこの池に投げ込まれて以来水が澄むことがないという伝説がある。宇井ノ内から3kmほど下った権田に村営の美那川キャンプ村が建設され,6人用バンガロー15棟,5人用テント20張,炊事施設・食器も常備する。林業関係を中心とした木頭民俗資料館も建設されている。南川一帯はアメゴ釣りに訪れる人も多い。一般的な登山道はなく,千本谷や御朱印谷林道を利用して植林用の道を登るが,スズタケをかき分ける道のりは約3時間かかる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196036