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三傍示山
【さんぼうじやま】


古くは不生(ふしよう)山・布生山・覆生(ふぜ)山・覆井山ともいった。三好郡山城町,愛媛県新宮村,高知県大豊町にまたがる山。標高1,157.8m。三角点はわずかに高知県側から北に寄り,愛媛県と本県境上にある。3県の境界にそびえているのでこの名がある。伝説に土御門上皇が,この村を通過した折村民は拝せず,そのため覆せいと命じたという(山城谷村史)。「阿波志」に「不生山盤根綿々数里に亘る。林木深うつ蔽虧す。中峰最も高し,木匠あり,器を造る」とあり,木地師がいたという。昭和24年5月ごろ三傍示山が鳴動してやまず,京都大学地質学教室の調査結果は地塊運動による振動音であった。この山の地下辺に大断層線が存在する。3県の分水嶺となっており,北東に白川が流れ吉野川に注いでいる。昔,この山を越えて3国に往き来したというが,現在はスズタケに覆われ,道はほとんどない。北方の塩塚峰や剣ノ山からの当山の眺めは一段と優れる。登山コースは三好郡池田町から国道32号を南下し,小歩危(こぼけ)の手前から右の白川谷をさかのぼり,バス終点外口で橋を渡り,林道を南西に走る。分岐を2回とも西方にとって行くと林道は終わる。谷をさかのぼり,スギの植林をぬって登ると県境の尾根に出る。スズタケを分けて北向すれば山頂であるが,山頂は木立に囲まれて狭い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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