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白滝山
【しらたきやま】


矢筈山の北方約2kmの地点にあり,美馬郡の半田町・一宇村,三好郡東祖谷山(ひがしいややま)村の境をなす山。標高1,526.1m。三角点は一宇村境からわずかに北に寄り,半田町・東祖谷山村境界にある。石堂山の北東に延びる稜線にあり,独立峰の山容をなさない。北東の半田町大惣集落から見ると,山の東面は断崖をなし白く輝く。「新編美馬郡郷土誌」に「大惣山は八千代(旧村名,合併して半田町の一部となる),一宇,東祖谷山三村の境界をなし,半田川の水源となっている。全山原生林に覆われているが,北東の山腹千米内外の所に大断崖が累々として壮絶な景観を呈する。陽光をうけて岩石が白くかがやく様子から白岳と名づけられている。結晶片岩の山地には断崖が多いが名称のあるものは稀である」とある。山名の「たき」は滝の意味でなく,三好・祖谷の山間地方で崖を指す言葉。白く輝く崖の山を「しらたき」と呼び,白岳と書いたのが,後に白滝山に書き改められたもの。白滝山から南西方1km余の地点に石堂山があり,東北東の山稜1.5kmの地点には石堂神社がある。白滝山は,ちょうど石堂山の頂上と石堂神社の中間に位置する。これは,その昔白滝山が石堂山の一部と見られていたことを表している。石堂神社は半田町の旧八千代村と一宇村との境にあり,現在では祭りを交代で執行している。昔神体を奪い合ったためであるといわれている。登山道は半田町大惣,一宇村石ノ小屋,東祖谷山村深淵・矢筈山,石堂山縦走などがある。深淵からの所要時間は約2時間。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196299