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城山
【しろやま】


徳島市街地,国鉄徳島駅の北東方にある山。標高61.7m。徳島城の置かれた山である。「阿波志」に,「渭山 また猪山に作る。府城の中にあり,山勢孤円。之を望むに伏豚の如し。深樹蒼翠にして,芳河(吉野川)を帯び,海口に隣す。けだし古は井上(いのべ)郷に属す一海島たり」とある。至徳2年に細川頼之は山頂に渭山城を築いた。その後天正年間に蜂須賀家政は,城山を中心に麓一帯に徳島城を築き,頂上に本丸を置いた。明治8年に大部分取り壊され,残った鷲の門は昭和20年戦災で焼けた。現在,城山全体が徳島中央公園となっており,頂上には護国神社,麓には石器時代の貝塚,県立図書館・旧徳島城表御殿庭園などがあり,庭園は徳島城の表御殿庭園として国名勝で枯山水庭と築山泉水庭とを組み合わせた形式である。城山原生林は市天然記念物であり,ホルトノキを主体にクスノキ・ムクノキ・エノキなど樹高15~20mの大木が茂っている。しかし周辺のコンクリート化による乾燥,排気ガスによる汚染,落葉・腐植土の乱取による養分不足などによって急速に衰弱化している。地質は三波川帯に属し結晶片岩からなる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196306