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天狗岳
【てんぐだけ】


三好郡山城町の中央西寄りにある山。三傍示山から塩塚峰へ,南北に愛媛県との県境をなす山稜から約600mほど山城町に入り込んだ山。標高1,050m。塩塚峰の南東約2kmに位置する。「阿波志」に,「天狗岳,最も峭抜,塩塚(峰)を経て伊予に入る」とある。「三好郡村誌」には「標高1,060米,登路元標(末貞にあり)より四里」とある。山上には大山祇神社があり,「慶長六年神主山伏伊予上山清雲」の棟札がある(山城谷村史)。山の東に陣立屋・刀谷があり,平家伝説が残されている。平家の残党がこの山で日暮になり野陣を張った所を陣立屋(じんだつや)といい,その谷を陣立屋谷と呼び,それにそそぐ小谷を刀谷という。兵士が刀を磨いたので名づけたといわれる。藩政期,当山に捕鷹場があり,端ノ鳥屋(はなのとや)と呼ばれた。当山を端ノ鳥屋山とも別称する(山城谷村史)。地質は三波川帯に属し,珪岩・結晶片岩などが混合する。登山道は尾又谷と愛媛県新宮村とを結ぶ峠エンマの田尾まで登り,峰伝いに登頂する。また,最近は塩塚峰までの車道を利用して,塩塚峰から県境を南下する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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