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塔ノ丸
【とうのまる】


三好郡東祖谷山(ひがしいややま)村の東部にある山。剣山の登山基地である見ノ越の西約5kmに位置する。標高1,713.0m。堂々とした山容を示し,頂上も広く高原状をなす。最高地点はわかりにくいが,三角点は最も西寄りのピークにある。「阿波志」に,「塩無山,菅生名(集落)にあり。山上平広なり。池あり見残と称す」と記し,現在の塔ノ丸頂上から夫婦池までの4kmに及ぶ山塊を塩無山と呼んだという。大正4年の「美馬郡郷土誌」には,「剣山の北方に当りて丸笹山を中心とし,西は塩無山,東北は中尾山に連れる小連嶺あり」「(剣山へ)祖谷より登るには菅生より塩無山に登り約四里にして見残に達す」としている。大正期までは塩無(しおなし)山と呼ばれた。昭和になってからは「剣峡剣山祖谷渓案内」「四国の尾根」などでは「塔丸(とうのまる)」と称し,「四国の旅路」「鉄道省登山案内」では「東祖谷山」と称し,2つの山名を併用している。頂上付近は一面シコクザサに覆われ,所々に巨岩が露呈する。岩石はミカブ緑色岩類である。ツキノワグマの生息地でもある。剣山国定公園のうち。昭和52年に2つのコース,3つのゲレンデを持ち,1,000人のスキー客を収容できるスキー場が,北東斜面に建設された。登山道は夫婦池のキャンプ場前からが一般的で,約1時間20分かかる。菅生からの登山道もあり,3~4時間で,頂上に至るが,この道はかつての剣山参道である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196661