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中津山
【なかつさん】


三好郡池田町と西祖谷山(にしいややま)村にまたがる山。標高1,446.6m。剣山国定公園に含まれる。祖谷山系の西端にあって中津富士とも呼ばれ,信仰の山として知られる。祖谷川を挟んで西の国見山と対し,東は松尾川を挟んで腕山と相対している。松尾川の清流沿いには鳥獣保護区に指定されている竜ケ岳と呼ぶ大断崖が連なり,紅葉時の眺めは圧巻である。山頂には小さな池と,中津神社がある。戦国期に松尾瀬戸佐久という落武者が来て,麓の松尾村(現在池田町松尾)を開いた。その人が中津大明神を創立したという。昔,雨乞などの時は老若を問わず男子は村人こぞって祈願登山をし,池の水を飲んだと伝えられている。池にはジュンサイが見られる。頂部は緩やかで広く,展望も良い。登山コースは,田ノ内や山風呂から2時間余で登れるが,最近は出合からの道が整備され,頂上付近まで車道が通じ,さらに頂上まで遊歩道がつけられている。杉の植林が多い。山麓の祖谷は,平家伝説の地であり,かずら橋,善徳の神代踊,祖谷渓温泉,祖谷そば等で知られ,観光で訪れる人も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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