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袴腰山
【はかまごしやま】


阿波山・撫養富士・大津富士ともいう。讃岐山脈の東端近く,鳴門市の中央やや東部に位置する山嶺。標高264.8m。山名の由来は山の形が袴のすそを開いた形に似ていることによる。国鉄鳴門線教会前駅の北方1.8kmにあり,東側は撫養町木津の中山,西側は大津町大代に属する。往古木津村と北方の櫛木浦(現北灘町櫛木)が境界論争を起こした時,老翁が伝え聞く古歌として,「昔より下し給ひしはかまごし今そのままにきづにおく山」と,役人に申し上げたため,木津の山と定められたという(灯下録巻1・板野郡誌)。また,天正年間に土佐の長宗我部元親の軍が木津城を攻めるにあたり,この山に陣所を築いたとも伝えられるが(阿波志),真偽のほどは不明である。大正期から阿波鉄道唱歌などで撫養富士として宣伝されるようになった。また,大津八勝にも数えられるなど,山容が美しいため多くの人々に親しまれている。地質は和泉層群に属する砂岩からなる。植生は,アカマツ・クロマツ・ウバメガシなど。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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