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宮川内谷川
【みやごうちだにがわ】


板野郡西部を流れる川。延長19.0km,流域面積73.6km(^2)。讃岐山脈に発し,板野郡土成(どなり)町を南流し,中流に扇状地を形成したのち,同郡上板町と板野町の平野部を東流して国鉄高徳本線板野駅南方で旧吉野川に注ぐ。上流は渓谷をなし,奥宮川内谷の名で景勝地として知られる。谷を利用して名物たらいうどんの店が散在するほか,宮川内ダム・御所神社(土御門上皇終焉伝説地)・御所温泉(鉱泉)などがあり,水源域は昭和42年奥宮川内県立自然公園に指定された。谷の出口,宮川内より下流に東西・南北とも約4km,面積約14km(^2)の県内一の扇状地が広がる。扇状地面は以前大部分が畑作地であったが,昭和31年阿波用水の通水が始まり,また洪水調節を兼ねた宮川内ダムが昭和39年に完工して急速に水田化した。扇状地末端より下流約8kmの間は沖積平野を流れ,一部は天井川となる。この間は扇央部で200mに達した川幅が,下流の合流点付近で20mと極端に狭くなるうえ曲流となり,そのため明治32年~昭和36年の約60年間に十数回の堤防決壊・住居浸水・耕地冠水を見,ときに犠牲者を生じた。河川改修促進運動は明治9年以来続けられ,昭和7年には上板町七条から吉野川左岸の下六条水門へ直線状の河道建設が計画されたが,住民の反対にあい破棄された。昭和28年の台風13号被災を機に中下流部11kmの間を中小河川改修工事として,昭和30年から流路の拡大,直線化が進められ,昭和53年に完工した。平野部は水稲のほか,ダイコン・シロウリ・キュウリ・レンコンなどの栽培が盛んである。上流の川沿いに国道318号が通じ,昭和61年県境の難所鵜峠(うのたお)はトンネルが開通して徳島市~高松市の最短ルートとなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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