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青ノ山
【あおのやま】


綾歌郡宇多津町とその西にある丸亀市との境界にある山。標高225m。讃岐平野から海岸線に裾野を広げる円錐状の孤立峰で,典型的なビュート。名称は全山が松に覆われ青々とした山の意といわれる。基盤の花崗岩の上に安山岩をのせた残丘で,両者の境に傾斜の変化が見られる。山麓の畑地は番の州臨海工業地帯の開発につれ急速に住宅や団地として宅地造成が進んでいる。山頂から山麓にかけて古墳が散在し,開墾と開発でいくつかは消滅したが,現在なお17基の存在が確認される。自然の巨石と切石・割石などで精巧に築いた横穴式石室を主体とし,その大半は盛土円墳で,長い年月に土砂が流出し巨石の露呈したものが多い。山の西側,丸亀市土器町にある田潮八幡神社は正平17年細川頼之が細川清氏と戦った時,当山に陣していた頼之が同八幡神社に祈願し,満潮に助けられ勝利をおさめたといわれ,これに感謝して社殿を修理し松の木を植え記念した。この時の頼之の松も残る。山頂からは四方に眺望が開け,番の州臨海工業地帯・塩飽(しわく)諸島・土器川・丸亀平野・飯野山(讃岐富士)を一望でき,青ノ山生活環境保全林整備事業として公園・遊歩道・展望台等が整備されている。また,瀬戸大橋が完成すると頂上の北斜面からは,瀬戸大橋の全景を含む瀬戸内海の多島美,対岸の本州や遠く中国山地が一望でき,新しい観光資源として期待される。南斜面には丸亀市が開発造成した11万m(^2)余の墓地公園が広がる。登山口は丸亀側の青ノ山林道からと宇多津側とにある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197722