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天霧山
【あまぎりやま】


雨霧山とも書く。善通寺市・仲多度郡多度津町・三豊郡三野(みの)町の1市2町にまたがる。標高360m。地質は下から順に花崗岩・凝灰角礫岩・讃岐岩質安山岩と重なり,険しい山容をなす。山名は,一説には雨雲のかかりやすいためといい,また天霧城跡にまつわる尼斬り伝説から転じたともいうがつまびらかではない。山頂からは丸亀平野や備讃瀬戸が一望でき,古来隘路である鳥坂(とつさか)峠越しに西讃方面(三豊郡)をも視野に収めることができる。この眺望と天険の地形を利した天霧城跡が頂部一帯に広がる。天霧城は,室町期に讃岐の守護細川氏に従い,西讃6郡を領した香川氏の城。典型的な中世山城で,昭和52年12月に国文化財保護審議会から史跡指定の答申を受けたが未告示。昭和43年から始まった安山岩の採石により天霧山の南面は大きく削り取られ,山自体のもつ意味が大きい中世山城の保護の在り方に疑問を投げかけている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197765