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一宮池
【いちのみやいけ】


市宮池とも書く。また,池の北東に接する小丘陵に八王子神社があることから,八王子池とも呼ばれる。香川郡香川町浅野にある溜池。香川町北部に位置し,洪積台地に発達する浅い浸食谷をせき止めた麓池の1つ。堤高8.3m,堤長340m,満水面積8.1ha,貯水量37万9,000m(^3),受益面積30ha。灌漑地域は香川町浅野の北部と高松市多肥上町で,その面積は18.5ha,関係農家83戸である。水源は香川町川東で東部幹線水路から分水した香東川の内場用水が主として使われるが,油山・高塚(たこづか)山の北側一帯からの自然導水も利用される。池の起源は明らかでないが,古老の口碑にまだこの付近の船岡池・平池・行事池・辻堂池などの池が築造される以前に,一宮町田村神社付近へ送水するためにこの池が築造されたものと伝え,また,それが池名の起源でもあるという。昭和45年,土地改良災害復旧事業による改修の際,池底のユル板のそばから,「文久紀元秋八月 向井根賢(注,浅野の人,舟皐通称又八郎)敬築」と記した石碑が出土。現在この石碑は改修記念碑と並んで堤防上に建てられている。池の付近は高松市近郊の住宅地として宅地化が著しく,東側の洪積台地を中心に,香川県住宅供給公社による八王子団地をはじめ,民間の住宅団地・スーパーなどが進出しにぎわいをみせる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197850