100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

大麻山
【おおさやま】


善通寺市・仲多度郡琴平町と三豊郡高瀬町の境にある山。標高616m。琴平町に属する当山の南東部は特に象頭山(琴平山)ともいう。山頂に,北西から南東に細長い平坦面を残す開析溶岩台地で,基盤岩である花崗岩の上に凝灰岩類を挟み,讃岐岩質安山岩がのる。本県の平野部にある山では最も高く,その山容は「遠望より山の形勢象の頭の如く」(金毘羅参詣名所図会)と形容されるようにどっしりとしている。北東のふもとに同名の大麻村(現善通寺市大麻町)があり,その由来を「西讃府志」は「往古忌部氏ノ輩当国ニ麻ヲ植生セシトキ,天太玉命ヲ此地ニ祭リテ大麻神ト称リ,故村ノ名トナレリト云」と伝える。当山名も同様の由来であろう。このほかに,山の周辺には上麻・下麻・麻坂峠など麻のつく地名が多い。標高400mの高所に位置する野田院(のたのいん)古墳をはじめとして北~北東麓には古墳が密に分布し,昭和59年にその一部が有岡古墳群として国史跡指定の答申を受けた。また,南東部の象頭山一帯は,山腹にある金刀比羅宮の神域に属し県下有数の動植物の宝庫で,昭和25年に瀬戸内海国立公園の一部に指定されている。山頂にはテレビ中継塔や展望台公園があり,自動車道が通じている。ここからは本県の西半分が一望の下に見渡せ,特に眼下に広がる丸亀平野の条里地割は美しい。近年,キャンプ場や古墳を巡る遊歩道も整備され,地域の人々に親しまれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198023