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大滝山
【おおたきさん】


香川郡塩江(しおのえ)町と徳島県美馬郡脇町の境にある山。標高946m。讃岐山脈の中央部からやや東寄りに位置し,県下第3位の標高を有する。頂上にある西照神社および大滝寺はいずれも徳島県側に位置している。南面には井口谷川・大谷川・祖江谷川の水系が発達し,北面には椛川・小出川など香東川の各支谷が発達している。頂上付近の一部は寺社有林で占められているが,本県側はほとんど国有林野に属し,昭和43年から県民憩の森として国および県の指定を受け,キャンプ場・遊歩道などが整備され,保養林として利用度が高まっている。頂上付近からやや南寄りの稜線沿いには樹齢100年を超えるブナやケヤキの天然林が形成される。山名は,奈良期に僧行基が小堂を建て弥陀三尊を安置したことに始まるといわれるが,一説では弘法大師の厄除け修行の地として大滝寺と呼称されたともいわれる。大谷川の源頭部には砂岩と頁岩の互層を縫って瀑布の発達があり,すぐ下流部に下大滝の地名をもつ集落も存在する。雨乞・厄除けのため春・秋の大祭には徳島県側からの参詣者を集める大滝寺は,昭和45年5月焼失したが,その後地元住民等の協力により再建され,今日に至る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198028