100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

大山
【おおやま】


大川郡引田町と徳島県上板町の県境にある山。標高691m。讃岐山脈東部の山で,頂上には電電公社の無線中継施設が設置されている。頂上から東へ約1kmの地点に大山越えの峠があり,南の徳島県側に下ると真言宗醍醐派大山寺に至る。源平屋島合戦時の源義経進軍の本道を大山越えに比定する説と,東の大坂峠に比定する説があり,論争が今も続く。「平家物語」巻11には「阿波と讃岐との境なる大坂越といふ山を夜もすがら,越えられける」とある。一方,「源平盛衰記」においては,源義経の大坂峠越えは,「中山といふ所の道ばたより,二町計右に引入れて,竹の林あり,中に古き寺あり,栗守后の御願,金仙寺と言伽藍なり」と見え,大山越えかともいわれる所以である。大山寺には義経ゆかりの寺宝等が多く,檀ノ浦合戦後,勝戦の礼に寄進したと伝える三宝荒神像などが残る。大山寺の開基は約1,500年前の西範僧都と伝える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198067