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雄山
【おんやま】


坂出(さかいで)市高屋町にある低山性のなだらかな山。標高140m。五色台白峰山から見下ろせる位置にあり,南にある雌山(164m)とともに高度の低い溶岩台地を構成する。基盤の花崗岩の上に凝灰岩層,その上に讃岐岩質安山岩がのる。県内の溶岩台地中では最も低いものの1つで,両山の中間の鞍部を高松坂出有料道路が通る。雄山の南には条里制の遺構が顕著で,整然とした地割・坪付などが,地名とともに残り,この地区の条里の基準線の一方の目標が当山であったといわれる。南北朝期に足利義詮の執事であった細川清氏が,讒言にあい南朝方に帰順して,讃岐へ渡り,当山の高屋城に拠った。北朝方細川頼之は義詮の命を受け清氏を攻めた。世に白峰合戦と呼ばれ,当山の西に細川将軍戦跡碑がたつ。当山の鞍部を小石越えというが,これは雌雄の山が相寄り恋し合うところから恋越えといったのがなまったものという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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