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金山
【かなやま】


坂出(さかいで)市南東にある小山。標高281m。開析溶岩台地の特性をもち,花崗岩を基本に,上部は讃岐岩質安山岩および讃岐岩からなり,メサからビュートに移行する中間型を示す。讃岐岩はサヌカイトともいい,硬質でたたくと金属的妙音を発し,珍重されるが,旧石器時代から弥生時代にかけては石器の材料として重要であった。この金属音が金山の山名となったと考えられる。伝説では,行基が当山に登り,寺を開いたといい,東麓に石の薬師仏が祀られる。同じ東麓には八十場の霊泉があり,夏でも冷たい泉が豊富に湧出し,干天時も枯渇したことがない。現在八十八トコロテンで知られる。その昔,崇徳上皇がこの地で崩御された際,京都の指示を仰ぐまで遺体を冷泉につけていたという。一般に山麓の井戸水は良質で,水道ができる昭和10年頃までは坂出市民に荷車で水を販売していた。同52年から同54年にかけて,金山と南の常山との鞍部に全長480mの金山トンネルが開削され,同57年開通した国道11号中讃バイパスの一部となっている。東からトンネルを抜けると坂出市街や番の州コンビナート,瀬戸大橋などが一望に展開する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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