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京ノ山
【きょうのやま】


香川郡直島町に所在する山。標高103m。町役場の南方約1,000mの地点にあり,山名は,保元の乱後,崇徳上皇が讃岐へ配流された途中に直島へ立ち寄り(源平盛衰記),泊ケ浦の仮屋で,5部の大蔵経を写本し,1部を京の御室の弟君へ送り,1部は当山麓へ埋めたと伝え,その山を当地で経納山(経を納めた山)と呼んだことにちなむ。当山の山頂に昔から1本の傘形をした松があり,一本松の愛称で呼ばれる。昭和の初め頃まで,節句の花見には,多くの子供たちが訪れた。山頂はやや広く,繰り返された雨乞のため禿げて砂肌を現す。山頂からは四国の連山が望め,五剣山・屋島・高松の景観が広がる。近年子供の遊びも変わり,山遊びもなくなり花見の行事もすたれた。干天続きの時,山頂に農民が寄り集まり,火を囲み般若心経を唱えて,雨乞の行事が行われていたが,大正3年大広木池が完成し,水の心配もなくなり,雨乞行事も自然にすたれた。当山の南東地区の大半が,昭和3年12月瀬戸内海国立公園指定地区となり,個人所有地も許可なく形を変更することができなくなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198375