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黒戸山
【くろどやま】


仲多度郡多度津町と三豊郡三野(みの)町との境界にある山。標高299m。天霧山・弥谷(いやだに)山の尾根伝いに並ぶ連峰の1つで,花崗岩を基盤として凝灰岩や集塊岩・讃岐岩質安山岩がのり,風雨の浸食を受けて傾斜の急な奇峰をなす。全山松が茂り,山頂部と三豊平野を展望できる南方の峰に石垣や郭の跡がみられる。瀬戸内海を一望できる北方の屏風を立てたような絶壁は,直立した城壁を思わせる。山名は,山上に黒い戸の形をした岩があることに由来する。西方の貴峰山のふもとから鎗や銅剣などが出土し,奥白方に向かう山腹からは昭和27年,遠賀川式弥生時代の人骨が出土した。このようなことから,古代には,奥白方の台地を囲んで,馬蹄形の天険を形成する当山一帯が,水軍の拠点となったとみられる。台地には多度津特産白方ブドウの栽培棚が広がる。総面積は約80ha,生産量は年間平均約1,200tを数える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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