100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

五色台
【ごしきだい】


高松市と坂出(さかいで)市および綾歌郡国分寺町の境界にまたがる開析溶岩台地の総称。南北約10km,東西約8kmに及び,最高点は南部の標高483mの猪尻山で,全体として北西方向に緩やかに標高が減じている。五色の峰として古くから文献に見えるが,一般に五色台と呼ばれるようになったのは,第2次大戦後で,地形図に五色台の注記が記載されたのも昭和35年以後である。地名は,中国の五行思想によるとの説もあるが,山地中のいくつかの峰に,溶岩や植物などの色あいから,紅,青というように五色の名を付して全体を五色台と呼んだという。地質は屋島や城山などと同じく,領家花崗岩の上に,新生代第三紀の瀬戸内火山活動により噴出した酸性凝灰岩・黒雲母安山岩・讃岐岩質安山岩・讃岐岩(サヌカイト)などが重なる。溶岩類は花崗岩類に比べて浸食に対する抵抗が強く,溶岩層に厚く覆われた部分は,削り残され山頂部が平坦なメサとなっている。しかし,地質の弱線体に沿った部分や周辺部では開析が進んで,袋山・烏帽子山など,山頂が円錐形となったビュートが五色台から分離して独立峰になりつつある形で分布する。五色台は瀬戸内海に突き出た山地で,眺望もよく,昭和30年代頃から観光開発が進んだ。五色台スカイラインをはじめ道路整備が行われるとともに,瀬戸内海歴史民俗資料館・自然科学館・児童厚生施設の山の家,野外活動センター,国民休暇村などの公共施設が設けられた。また,四国霊場八十八か所の札所である白峰寺や根香寺などの史跡や国分台旧石器遺跡もあり,四季を通じて豊かな自然と歴史を求めて訪れる観光客が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198533