100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

讃岐山脈
【さぬきさんみゃく】


本県と徳島県の県境に位置し,旧国名にちなんで阿讃山地(脈)とも呼ばれる。東西90km,南北12kmに及ぶ小さな山脈ではあるが,県下最高峰の竜王山(1,060m)をはじめ,大川山(1,043m)・大滝山(946m)・雲辺寺山(911m)などの峰々を有し,東は鳴門海峡から西の燧(ひうち)灘に至る1市6郡14町(観音寺市,三豊郡財田町・山本町・大野原町・豊浜町,仲多度郡琴南(ことなみ)町・仲南(ちゆうなん)町,綾歌郡綾上町,香川郡塩江(しおのえ)町,木田郡三木町,大川郡長尾町・寒川(さんがわ)町・大川町・白鳥町・引田町)におよんでいる。山脈を構成する岩石は和泉層群と呼ばれる上部白亜紀に属する砂岩,頁岩を主体として,北縁部は中生代に属する領家花崗岩帯と接し,南縁部では中央構造線を境に三波川変成岩帯の古生代の地層と接している。地形学上は地塁山地とみられ,淡路島や和泉山脈と同型同類の山地と見なされる。アンモナイトやアヤメ石などの化石も山脈の中部および東部から多数発見されている。南斜面には山麓階や,山麓面の発達が著しく,高所にまで集落や,耕地が発達している。山脈北側を東西に走る断層については,かつて引田和田浜ラインと称されていたが,現在では岩質差による差別浸食の結果とみなされる。ただ長尾町亀鶴公園西方の衝上断層などに見られるように山脈北縁部を東西に切る断層がいくつか確認されている。一般的には早壮年期の浸食型を示す山地とみられ,徳島県側では山麓に数多くの扇状地や河岸段丘の発達が著しく,本県側とは対照的である。香川・徳島の交通路として山脈を南北に横切って古くから峠が開け,曼陀峠(550m)・六地蔵越え(607m)・猪ノ鼻峠(544m)・三頭越え(795m)・寒風越え(890m)・相栗峠(577m)・大山越え(490m)・大坂峠(270m)など大小11におよぶ。分水界には道祖神が祀られ,かつては借耕牛や嫁入りなどの人々が行き交った。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198645