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讃岐七富士
【さぬきななふじ】


県内にある,美しい富士山型をした7つの山の総称。高鉢山(512m 綾上町)・飯野山(422m 丸亀市・坂出(さかいで)市・飯山(はんざん)町)・六ツ目山(317m 高松市・国分寺町)・爺神(とかみ)山(227m 高瀬町)・白山(しらやま)(203m 三木町)・堤山(202m 綾歌町・綾南町)・江甫(つくも)山(153m 観音寺市)をいう。かつて一帯を覆った一大溶岩台地の浸食残丘群で,溶岩は古銅輝石安山岩,一般に讃岐岩質安山岩と呼ばれる安山岩で,厚く覆われた部分が浸食から取り残されたものであり,原地形とは反対になる地形の逆転現象もみられた。溶岩の厚く堆積したかつての谷が山となり,薄く乗ったかつての山が現在は逆に平地と化しているものもある。この安山岩が広い面積にわたって厚く乗った部分は屋島型のテーブル台地となり,学術上メサと呼ぶ。安山岩が狭いと富士山型の円錐形をなし,学術上ビュートと呼ばれる。形は富士山に類似するが,火口もなく火山灰と溶岩との成層構造もないので火山性地形ではあるものの,一般にいう火山とは異なる。また県の大部分のメサやビュートは花崗岩の上に安山岩が乗った形であるが,一部には溶岩の噴出口に当たるものもあり,それらを岩頸と呼ぶ。富士山型のビュートは大小合わせると多数にのぼるが,一般に古くから讃岐七富士が著名。




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「角川日本地名大辞典」
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