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地蔵山
【じぞうやま】


香川県直島町,直島に所在する山。標高123m。町役場より西南約1,100mの地点に位置する。直島最高の山であり,この山を中心にして直島は形成される。伝説によれば昔当山の山頂に1本の大クスがあって楠山と呼ばれていた。ある夜庄屋の姫の枕辺に白髪の老人が現れ,私は地蔵尊である。当山の大クスの根元に長く埋もれている。早く掘り出しお祀りせよ。そうすれば島民の安泰を守ろうという。翌朝この始末を父に語り,村人とともに山に登り,大クスの根元を掘ると,夢にたがわず,古びた豊島石の地蔵尊が現れた。仏を南寺に安置し地蔵寺と改め,山名を地蔵山と呼ぶようになったという。当山には多くの谷があるが,そのうち笠町谷は笠町四郎衛信定の住居跡,かじや谷は梶谷隼人通定の住居跡とされる(故新伝)。現在この谷を開いて,幼稚園・小学校・中学校,体育館が建ち,一貫教育を目的とした,白亜の鉄筋建ての校舎が,地蔵山を背景にして立ち並ぶ。山の一部には自然道がつくられている。当山東南地区の大半は,昭和3年12月瀬戸内海国立公園指定地区となり,私有地も自由に使うことができなくなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198710