100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

高尾下山
【たこぎやま】


三豊郡詫間町にある山。標高270m。県西部を観音寺市から詫間町荘内半島まで続く七宝山脈の1つの山塊。東に加嶺(かれい)峠,西に詫間峠があり,山の尾根沿いは詫間町と仁尾町の境界をなす。地質的にはふもとの花崗岩を基盤として中腹に水成岩,頂上は安山岩が覆い,水成岩(白色の酸化凝灰岩)層からは,ブナ・クヌギ・コナラ・ケヤキなどの化石が発見される(詫間町誌)。山名については「西讃府志」に詫間郷の山林に高尾下山と書かれている。明治25年に測量作成された最も古い詫間の地図には章魚木(たこぎ)山,加嶺峠は魪(かれい)峠と魚の名が使われている。詫間小学校の校歌にも「高尾下の山や三野津湾,塩焼く煙背にうくる」とうたわれ,塩田の町として栄えた当時から,町民の象徴的存在であった。しかし,産業開発の波にあらわれ海岸埋立ての土砂の採掘が行われ,山の中腹から上は削り取られ,ふもとはミカン畑や荒地,住宅地と化した。昭和46年には土砂採掘跡地を農住計画推進地域に指定されたが,現在は進行していない。山の両側の2つの峠には,古くから,人を化かすというタヌキや,また大蛇などの伝説が残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199017