100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

津田の松原
【つだのまつばら】


大川郡津田町にある松原。津田湾の南部の砂堤上に形成される。クロマツを中心とする2,600本余の松の群生林で,面積約9.5ha。花崗岩の風化生成物である白砂と常緑の老松のコントラストが美しい景勝地。大正4年琴林公園として県立公園に指定され,昭和31年併せて瀬戸内海国立公園・都市計画公園に指定された。起源は古く往古常楽坊の僧たちが燃料用・防風林として砂浜に植林し,元禄年間にはすでに小さな松原をなしていたという。津田八幡宮(現石清水神社)が慶長5年に遷座した際,八幡宮の境内として氏子たちが既存の松原に大規模な補植をしたことが神社明細帳に記されている。寛永10年の讃岐国絵図にも記載され,既に数多くの老樹があったことがうかがえる。明治11年の神社明細帳には,旧境内林反別16町8反5畝27歩,樹木総本数4,655本,うち松3,664本とある。現在,松の本数は減少しているものの樹齢600年を超す老松もあり,臥竜根上り松・時雨の松・縁結びの松・蟹甲錦の松・琴竜の松・飛雲の松・羽衣の松・長寿の松・相生の松などの名木が多い。しかし壮齢・老齢木が大部分を占め,松枯れ対策,後継樹の育成が急務であり,観音寺市の琴弾公園で育てた10年ものの苗松を昭和58年度に約300本補植するなど,自然樹林の維持に努めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199113