爺神山
【とかみやま】

三豊郡高瀬町の西の端にある孤峰。標高227m。典型的な富士山型のビュートで，讃岐七富士の１つに数えられたが，砕石原料の採掘のため山体は大きく崩されている。同じビュートでも花崗岩をベースにする飯野山などと違って，基盤から讃岐岩質安山岩や閃緑岩からなる岩頸で，いわば溶岩台地形成時の噴出裂口の１つといえる。土佐から四国平定の途中にあった長宗我部氏に滅ぼされた詫間弾正景長の城があった。中腹に四国霊場八十八か所各寺の本尊になぞらえた石仏が山を一周するように配置されており，江戸中期から地元民の間で崇拝されている。東麓に桜の多い爺神公園がある。三豊平野の南端にある母神山とは一対をなす山であろう。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7199179