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中山
【なかやま】


善通寺市吉原町と三豊郡高瀬町にまたがる山。標高440m。花崗岩の上に凝灰岩類を挟み讃岐岩質安山岩がのるビュート。善通寺市街地より西に連なる五岳山の1つで,東に我拝師(がはいし)山,西は火上(ひあげ)山が連なる。山名の由来は,「多度郡屏風浦善通寺之記」に「五岳とは,香色山・筆山・我拝師山・中山・火上山是也。……中山とは,字のことし」と見え,五岳のうち400mを超える我拝師山・中山・火上山の中央に位置する山の意と思われる。現在ミカン畑に利用されている北麓丘陵は水茎の岡と呼ばれる。ここには西行の山里庵跡があり,「三代物語」は「山里庵,在曼荼羅寺西三丁,西行所居庵地」と伝える。西行がこの庵にとどまったのは治承2年の秋から3~4年で(西行自記),現在「山さとにうき世いとはむ友もがなくやしくすぎし昔かたらむ」の歌碑が残り,西行の生活を今に伝えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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