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如意山
【にょいざん】


善通寺市の東部(櫛梨町・与北町)・仲多度郡琴平町の北部(下櫛梨)・同郡満濃町北西部が接するところにある低い丘陵。最高点158.7m,比高約110m。讃岐半島の基盤である花崗岩の残丘性の丘陵に,多くの不規則な谷が刻まれた複雑な山形で,頂上部は不明瞭。山形は,山名に影響をおよぼしているようで,地元でもこの山名を知らない人がかなりいる。善通寺市・琴平町の住民は櫛梨山(古くは櫛無山)と呼ぶが,櫛梨にある山という程度の意で,櫛梨という地名はこの山の南麓にある延喜式讃岐二十四社の1つ,櫛梨神社による。「県神社誌」(昭和13年刊)によると神櫛王が船を櫛無山に着けたという伝説がある。中世には櫛梨城が置かれ,「西讃府志」には「櫛梨山ノ城主,奈良備前守元吉」などと見えることから,江戸期には一般には櫛梨山と呼ばれていた模様。如意山は琴平町上櫛梨にある真宗大念寺および当山北西部の谷に位置する持宝院の山号で,この山号が名に転じたものと思われる。大念寺の開基は保元の乱後(西念法師),持宝院の開基は古く,宝亀年間と伝えることから,如意山の名も古くからあったと思われる。小さな丘陵で乾燥していることから一般に植物は貧弱で,マツなどの雑木林となっている。南麓に県中部浄水場が建設され(昭和49年),また,東麓の一部が農用施設用地として造成中で,徐々にではあるが開発の対象となってきた。山麓には櫛梨神社・富熊神社・持宝院・源正寺など神社・寺院が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199395