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袋山
【ふくろやま】


高松市西部にあり綾歌郡国分寺町との境界をなす山。標高262m。地質は花崗岩を基盤とし,頂上部は讃岐岩質安山岩からなる。袋山の頂上には,香西氏の一族の部将として活躍した香西兵庫(鬼無兵庫)が治めた山城があり,香西氏の南のとりでとして,重要な役割を果たしたといわれるが,現在の山頂は当時の面影をとどめない。頂上には,竜王社と呼ばれる小堂宇が2つ並んでたつ。高松市側と国分寺側の住民がそれぞれ建立したもので,建立時期は定かでないが,雨の神として住民に親しまれてきた。昭和8年には,雨乞の祈祷が行われ,見る間に雨が降り出したという。国分寺側の竜王社には,由良の甕洗いという行事が残る。同14年の大旱魃の時,ふもとの楠尾神社の氏子が集まり雨乞をした。高松市由良町の清水神社で神櫛王の12人の王子が12の甕(3つが由良町の清水神社,1つが楠尾神社に残る)に酒を満たして祀った。この甕を袋山の竜王社に持って登り,国分寺町新居(にい)地域の氏子が1升びんで運んだ清水で,甕洗いの行事を6日5晩行い,祈願した。満願の日の8月14日に雨が降った。その後,毎年のように8月14日にはお礼参りが行われ,翌日には楠尾神社の夏祭りが開催される。昭和55年には,氏子の奉仕によって新しく堂宇が建立された。また,南東麓の鬼無(きなし)町側には,保久俚山安楽院があり,保久俚大権現を祀る。毎年,春秋の彼岸には,衣掛集落の人々が接待して大祭が催される。当日は県下および近県からも安楽死を願う参詣人でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199623