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前山
【まえやま】


眉山とも書く(綾上町史)。綾歌郡綾上町にある山。標高643m。讃岐山脈の平野寄りにある山という意味からの命名と思われるが,綾上側からみるとすぐ目の前に屹立することによるか(綾上町史)。口承によれば,屋島の合戦に敗れた平家の一官女が,この深林内に隠れ,哀れな最期を遂げた。山頂の姫塚はその墓所という。一説にこの官女はワラビを食して仏門に帰依したといい,当山はシイタケ・ワラビの名産地。眉山の名はこの官女にまつわる当て字ともいう。前山は飯野山のような独立峰ではなく,讃岐山脈の北側に,東西に連なる,高度300~500m級の花崗岩系の大山塊の一部をなす。この山塊のほぼ中央に当山が位置して東西を区分し,香東川・綾川の分水嶺となっている。姫塚辺を最頂点とする花崗岩系の丘陵性山地であるが,浸食が極度に進み,地形的には晩壮年期ないし老年期に近い山容をなす。南背後にある笠形山は,綾上町の屋根とも呼ばれ,当山はそのひさしとなって柏原渓谷を擁する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199755