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宮池
【みやいけ】


宇佐八幡神社の正面に広がることから八幡池とも呼ばれる。大川郡長尾町にある,県下でも古い溜池。正平19年,細川頼之が宝蔵院(極楽寺)の寺社領用水として築造したといわれる。「宝蔵院古暦記」や「讃岐国大日記」には,3月14日長尾八幡池始,4月29日完工とあって,わずか1か月余の突貫工事であったことがうかがえる。また,池書上帳(宝暦5年)には,長尾東・長尾西・長尾名3か村の水掛かりで1,823石,堤高3間半,堤長270間とある。現在の水掛かりは150ha,堤高7.2m,堤長713m,満水面積16.2ha,有効貯水量53万7,500m(^3),受益面積100ha。中堤が池の中央部に突出している。桜の名所となり,その先に亀島があるが,江戸期に築かれたものである。池さらえの土砂を積み上げたという説と,池堤を防御するために築いたという説がある。取水は,鴨部川から2,500mの掛井手を通して貯水される。また,池には蛇の伝説が残っている。昔,おしゃれな蛇がすんでいた。この蛇が宝蔵院の北側の青竜権現社下から阿波に通じる穴を通って阿波の医者に嫁入りをし,子どもを生んだ。しかし,長期間人間に化けていたので苦しくなり,正体がばれたのであわてて宮池へ帰ったという。時々水面に姿を映し,化粧をしたり,かゆい所を松の腹にこすりつけていた。それが亀島北面にある化粧の松・はらすり松であると語り伝えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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