雌山
【めやま】

「めんやま」とも呼ぶ。坂出(さかいで)市高屋町にある山。標高164m。その南方向にほぼ同形の雄山（140m）があり，コイシ越えと呼ばれる峠で連なる。ともに溶岩台地で，夫婦山と考えられたことからの命名か。太古に伊邪那美命は当山に，伊邪那岐命は雄山に降臨し，２つの山が相寄り恋し合うところから，恋越えといったのが峠名になったという伝説もある。両山とも坂出ミカンで知られる高屋町に位置し，なだらかな当山，勾配のいくらか急な雄山とも，ほとんど頂上近くまでミカンが栽培されている。ミカン園は，当山，雄山の東方にある山々一帯の斜面に広がり，運搬用のモノレール，小型トラック用の農道やスプリンクラーなどの施設も完備している。また，平地では砂地の畑に，サツマイモや金時ニンジンが栽培される。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7199937