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与治山
【よじやま】


大川郡白鳥町の北東部にある山。標高186.6m。瀬戸内海に面し,一部は引田町にも広がる。海岸線にある小さな山の割には急峻で,山名も「よじのぼる」山の意からつけられたという。山頂付近に鏡岩と呼ばれる岩と祠があり,古くから与治山の清少納言さんといわれ,婦人病に悩む人々が多く参詣する。清少納言さんの由来については伴蒿蹊の「閑田耕筆」に「讃岐の白鳥と云ふ所,〈日本武尊の社います所の名,彼の白鳥と化し給ふ故事に依るとぞ〉の鏡ケ峰といふに,京の上らふといふ墓ありて,清少納言なりと云へり,病みて哀れなりしが〈吾れ果無くなりぬれば,都の見ゆる峰に埋め給へ〉と云残してみまかりける,里人深くこれを哀れみ,海にのぞみて峻り立つ,与治山と云へる山のひときは高き鏡が峰にぞ葬りけるとなん」とある。このほか,落葉や薪を取りにいって,天狗や大蛇に出会った話が数多く伝承される。現在も春・秋2回の祭日には,朝の暗いうちから参拝する者が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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