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ランプロファイアー岩脈
【らんぷろふぁいあーがんみゃく】


大川郡白鳥町にある岩脈。鹿浦半島全域に発達する,国天然記念物。一般にランプロファイアーは煌斑岩とも呼ばれ,暗黒色で細粒緻密。斑状組織を示し,黒雲母・角閃石・輝石・橄欖石などの有色鉱物の斑晶に富むと定義される。当岩脈のランプロファイアーは河野義礼・岸田孝蔵の研究によれば閃緑岩質ランプロファイアー,つまりスペッサルタイトと呼ばれる岩石で,その中に平行に酸性の文象斑岩の岩脈もみられる複式岩脈群であるという。当岩脈は基盤岩の花崗岩を貫き,ほぼ平行な走向,N-40°-Wを示している。岩脈の幅は数十cm~数十m,延長は数十mに達するものも少なくない。当ランプロファイアーの延長は小豆島三都半島付近にも認められる。ランプロファイアーの岩石の露頭は海岸部でよく観察されるが,当地の鹿浦岬から引田町城山の海岸で露頭がよく見られる。花崗岩の岩盤の中を黒色の平行に配列した岩脈群は美観を呈し,自然の美しいモザイクといえる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200057