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鷲ノ山
【わしのやま】


綾歌郡国分寺町・綾南(りようなん)町と坂出(さかいで)市との境界にある山。標高322m。大部分は花崗岩からなるが,南西部から頂上部には角閃安山岩が分布する。この石は刈り刃が軟らかく,加工しやすいため,古くから良質の石材として利用されてきた。本県には石棺を埋納する古墳が13基(うち3基は出土伝承をもつ古墳)あり,17棺が知られる。そのうち,善通寺市から高松市にかけての範囲に分布する7基,9棺が鷲ノ山産の石を用いてつくられたと考えられる。山の東山麓には,石舟(いしふね)と呼ぶ集落があり,そこにある石舟八幡宮には,橘池の南から掘り出されたと伝える長大な刳抜式石棺が置かれている。地元にはこの石棺について,昔,天神さんが乗ってきたという伝承があり,石舟の名もここに由来するという。現在の石舟集落には,10数軒の石材加工業者があり,周辺の空地には,当山産の石でつくった雪見灯籠や春日灯籠が立ち並ぶ。最近では需要が減少し,青木石や庵治石の花崗岩を使った墓石の加工が目立つようになった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200084