浅川
【あさがわ】

今治(いまばり)市街地の北端を流れる川。市内矢田のバララ山・新池などに源を発し，東流して燧(ひうち)灘に注ぐ。流路延長5.5km，総流域は鴨川，山田川，日吉川を含んで11.5km(^2)，川幅は平野部に出た山路，山方町付近で約10m，河口近くでは50mである。中流は松山，今治両藩境で，両藩の村で水論を起こしたこともある。蒼社(そうじや)川が高橋付近で氾濫を起こす時，鯨ケ丘付近から水流が浅川に流入することもあった。下流の北岸一帯は低湿地帯で，近世初期に大新田村として干拓された。河口付近には今治藩の刑場があり，大正初期までは松林の続く淋しい所であったが，大正期より海水浴場や貯木場として発展した。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7200135