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赤蔵ケ池
【あぞがいけ】


上浮穴(かみうけな)郡美川村の二箆(ふたつの)・筒城(つつじよう)・沢渡(さわたり)の3集落の境界にある池。標高860mの山頂の凹地にある面積約1haの池で,湧水と雨水の溜ったもの。池は西麓の沢渡地区15haの灌漑水源であり,沢渡で管理する。山頂に登って初めてその全貌を見せ,湖岸にはうっそうと樹木が茂り,ジュンサイなど水草が覆う。池には,源三位頼政とその母にまつわる物語が伝えられている。源氏の武将頼政の母は,二箆の木地集落に隠棲し,わが子の出世栄達を赤蔵ケ池の水神竜王に祈願する。33日の満願の日に母は,頭は猿,胴は虎,尾は蛇,1夜に数百里を飛ぶ鵺(ぬえ)という怪物に化身し,夜ごと都の紫宸殿の上を飛びかい天皇を悩ます。そこに召された頼政がこの鵺を退治し,三位の位をさずかる。頼政の出世を見とどけた母の魂は射られた矢とともに赤蔵ケ池に帰り,池底に没して再び姿を見せることはなかったという。麓の二箆に自生する矢竹は,頼政の母の魂とともに都から飛来してきた矢が落ちて活着したものと伝える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200168