100辞書・辞典一括検索

JLogos

6

石鎚山脈
【いしづちさんみゃく】


愛媛・高知県境に東西に連なる山脈,四国山脈の西半を占める。東は大歩危・小歩危の吉野川の谷に達し,雁行する剣山地とともに四国山地を形成する。北側を中央構造線と呼ぶ大断層が東西に走り,伊予三島市から西条市にかけて壮大な石鎚山断層崖を形成している。北側の急斜面に対し南側は傾斜が比較的緩やかで傾動地塊となっている。この南斜面では仁淀(によど)川上流の小支流が流れて小規模な盆地床をつくり,上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)町の久万川の線で境される。西南日本の外帯に属し,石鎚山脈の基盤は三波(さんば)川変成岩類(長瀞(ながとろ)変成岩ともいう)の結晶片岩からなる。石鎚山頂付近は第三紀層におおわれ,さらに安山岩が重なっている。石鎚山から東へは伊吹山(1,503m)・瓶ケ森(1,897m)・寒風山(1,765m)を経て笹ケ峰(1,860m)に至り,さらにちち山のわかれで二又に分かれ,平家平(1,693m)・三ツ森山(1,430m)・大座礼山(1,588m)・東光森山(1,486m)と続く高知県境の山脈,および西赤石山(1,626m)・東赤石山(1,707m)・二ツ岳(1,647m)・赤星山(1,453m)から翠波(すいは)峰に至り法皇山脈となる。後者のうち西の七番越(1,180m)から東のハネヅル山(1,282m)までは赤石山系と呼ばれる。東西に並列する山脈の間を銅山川が東流し吉野川に至る。また石鎚山の西方へは二ノ森(1,929m)・堂ケ森(1,689m)・石墨(いしずみ)山(1,456m)・皿ケ嶺(1,271m)としだいに高度を下げ,障子山(885m)に至る。瓶ケ森と皿ケ嶺には隆起準平原の残物とみられる平坦面があり,瓶ケ森では氷見(ひみ)二千石原と呼ばれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200262