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犬塚池
【いぬづかいけ】


越智(おち)郡玉川町北東部にある用水池。今治(いまばり)藩により寛政7年着工され,23年を要して文化14年に完成した。池名は堤下にあった名犬の墓,犬墓にちなむ。蒼社(そうじや)川の水がかりの悪い南方(みなみがた)の平野各村の旱魃対策として,鹿児(かのこ)池の完成に続き起工されたもので,八幡(やわた)と別所の境界付近の谷間に東西6町・南北4町・周囲24町2間・堤長1町28間の,藩内第2の大池であった。鳥生(とりう)・郷・八町・中寺など旧11か村を灌漑したが,北方(きたがた)の日吉・別宮(べつく)など5か村も旱魃に備えて水路を引き,池の維持費を負担したので,その灌水地域は今治平野全域にわたっている。池の周囲および湖底からは,犬塚式土器と呼ばれる県下弥生後期の典型的土器を多量に出土する。昭和9年の大旱魃を機に同13年県営事業で貯水量を61万tに拡大し,用水路を整備する工事が完了し,付近第一の用水池となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200338