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大黒山
【おおぐろやま】


北宇和郡津島町と高知県幡多郡西土佐村との境にある山。標高1,105m。山腹斜面は急斜面であるが,山頂付近は隆起準平原状の平坦地になっている。地質は中生代四万十層群の砂岩と泥岩の互層よりなるが,南麓の御槇(みまき)盆地付近には新生代新第三紀に貫入した黒雲母花崗岩が見られ,小規模な採石場がある。林野の所有は北斜面の高知県側は国有林,南斜面の津島町側は中腹以上は県有林,中腹以下は私有林である。このうち県有林は約100haに及ぶが,これは大正年間,岩松から御槇に通ずる県道を建設するに際し,地元負担金を得るために,旧御槇村の村有林を県に売ったものである。この旧御槇村村有林は地元民の入会採草地で,春彼岸ころに地元民が山焼きをし,5月ころから肥草と牛の飼料を得るために入会採草し,山焼きは大正年間まで行われた。また一部屋根葺用のカヤ場もあった。県有林になって以降植林が進められ,現在は人工林の美林となっている。なお北斜面の高知県側にはサンショウウオが生息している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200579