100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

面河川
【おもごがわ】


上浮穴(かみうけな)郡面河(おもご)村・美川村・柳谷(やなだに)村を貫流する川。仁淀(によど)川上流の愛媛県での呼称。河川法では上流から仁淀川といわれる。四国の最高峰石鎚山の南麓に源を発し,西流して美川村御三戸(みみど)に達し,ここから南流し高知県境に至る。主な支流には面河村の通仙橋で合流する割石(われいし)川(延長11.1km),美川村七鳥(ななとり)で合流する直瀬川(延長14.3km),美川村御三戸で合流する久万(くま)川(延長25.4km),柳谷村落出(おちで)で合流する黒川(延長22.4km)などがある。源流地帯は渓谷美の面河渓。川の反転する御三戸は石灰岩の景勝地。支流の割石川流域には昭和38年完成した面河ダムがある。支流の直瀬川・久万川の上流域には浸食盆地が開け,水田が広く開けているが,本流はおおむね険しいV字谷を刻み,谷底平野の発達はよくない。集落と耕地は山腹緩斜面に立地し,昭和30年頃までは焼畑耕作が盛んであった。谷底に立地する集落の多くは明治中期以降,谷底に道路が開通して以降成立したものが多い。川にはアメノウオ・イワナ・ウナギ・アユが生息する。水量豊富なこの川の本流沿いには,美川村日野浦に面河第一発電所(最大出力7,000kw),柳谷村柳井川には面河第二発電所(最大出力1,600kw)があり,ともに水路式発電で,四国電力の管轄下にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200746