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唐子山
【からこやま】


国分寺山ともいう。今治(いまばり)市南東部の唐子浜付近にある山。標高105.3m。西麓に国分寺がある。山名は山頂付近の松の遠望が,中国の童子に似るところから命名されたという。低山であるが,いくつもの丘陵が四方に延び,3基の前方後円墳はじめ市内第一の古墳群がある。これは唐子山古墳群といわれ,唐子山を中心とした丘陵の海抜40~50m前後に弥生終末期から6世紀後半に至る間の土壙墓,粘土槨,円墳,方墳等100基以上が分布している。うち約50基については発掘調査が行われ,当地方では珍しい環頭大刀・内行花文鏡などが出土している。また石蓋土壙墓,粘土槨,横穴式石室等は,唐子台団地のうちに復元されて古墳公園となっている。唐子山は戦国期には山頂を削平して国分城が築かれ,村上武吉以下の武将が居城し,府中方面を支配した。近世は古国分村が開かれて稜線が国分村との村境となり,北麓の一角は今治藩主の墓所となった。第2次大戦後は東方の唐子浜が海水浴場として発展し,北~西部の丘陵は開発されて住宅団地唐子台となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200944