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亀老山
【きろうざん】


大亀(おおき)山・隈ケ岳ともいう。越智(おち)郡吉海(よしうみ)町大島の南部にある山。標高307.8m。芸予の島々および来島(くるしま)海峡から燧(ひうち)灘を広く望む景勝地で,全山が瀬戸内海国立公園に編入されている。山頂,山麓の各所から弥生土器が出土し,弥生時代の高地遺跡である。古代より海上交通の要衝として重要な位置にあり,北麓の高竜寺も,もとは山頂近くにあった。中腹には鎌倉後期の様式を示す宝篋印塔があり,村上義弘の墓と伝えている。山城としては平安末期からその歴史があるが,北麓の海抜100m付近の台ノ山は,隈ケ岳城と呼ばれ,中世の城郭としては県下でも大規模なものである。3段に削平された最上段には平安末期~鎌倉初期と推定される経塚がある。三方を山に囲まれ,津倉湾に面した北麓は古くから開発されたが,強風で急傾斜地帯の東岸,江越・南浦・名駒地区の開発は近世以降である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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