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高仙山
【こうぜさん】


越智(おち)郡菊間町の北東部,大字種字東山にある山。標高248.3m。種川上流にあり,安山岩の岩頸のため周囲の山よりそびえ,山容は美しい。山頂は2段に削平され,空濠や石垣の跡を残す典型的山城跡で,沖合いの怪島(けしま)と結んで,斎(いつき)灘を航行する船を見張った。「河野家譜」では城主は河野教通(池原氏を称す)で,代々池原氏が城主で,西麓の台地池原に居館があった。永禄ころの城主は池原通吉で,湯築城主河野通直の父であり,宗家への発言力を強めたが,没後は通直の弟通成が城主となった。通成は天正7年と9年には河野氏の内紛により来島城主来島通総と鹿島城主二神豊前守らと戦い,天正12年には安芸勢の侵攻を受けている。天正13年7月の豊臣秀吉の四国征伐では,兵200余を率いて抵抗したが残兵19名となり,ことごとく自刃した。湯築城落城後の高仙山城は,来島通総の支配となったが城砦はまもなく破壊され,城跡には通成の霊が祀られている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201342