国領川
【こくりょうがわ】

新居浜(にいはま)市域を北流する２級河川。河川延長17km，流域面積73km(^2)（市域の２分の１弱）。笹ケ峰（1,860m）に源を発し，支流小女郎(おじよろ)川・足谷川とともに，石鎚断層崖を浸食して別子ラインを形成。その間の谷底平野は皆無に近く，活発な浸食作用が継続中であることを示す。したがって，別子ライン中央に建設された鹿森ダムの貯水池は，土砂の堆積が急速に進むと考えられる。断層崖に直交して北流した後，海抜70m付近で中央構造線を通過。支流種子(たね)川・西ノ谷川・客谷川・市場(いちば)川とともに，運搬してきた土砂で扇状地性低地の新居浜平野を形成して燧(ひうち)灘に注ぐ。かつては平野の中央を流れていたが，のち東寄りに流路を変更。平野部では伏流することが多く，表流水が少ない。別子ラインの上流部と新居浜平野の下流部との区分が明確で，中流性を欠くのが特色。なお，この川の伏流水は，臨海部にある住友化学の新居浜・菊本・大江製造所に取水されてきた。また，城下(しろした)橋以北の河川敷では，運動・児童公園が建設中である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7201385