沢池
【さわいけ】

沢大池・大池ともいう。越智(おち)郡波方(なみかた)町の南西端，大西町との境界付近にある池。寛永18年に松山藩営により築かれた。旧樋ノ口村一帯は波止浜湾に続く湿地帯であったが，この池の築堤を機に開発が進み，上新田・向新開などが成立。天和３年には東端に波止浜塩田が完成した。池は東西２町45間・南北２町10間，周囲17町18間，堤長１町45間で田約30町を灌漑する。元禄ころの洪水で，波止浜塩田へ被害を与えたのを機に，大西町側の高下池と結んで排水口を設けたが，以降たびたび旧九王村との間に分水争いを起こしており，近年では明治29年と昭和12年に争われている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7201573