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重茂山
【じゅうもうさん】


高縄(たかなわ)半島北西,越智(おち)郡大西町と玉川町との境にある山。標高295m。宮脇川・与和木(よわぎ)川の水源となっている。室町期には重茂山城があり,越智郡と野間郡の境にあって,海岸からの府中や風早(かざはや)郷への侵入,内陸玉川方面からの野間郡侵入を見張る要衝の地であった。城主は代々河野氏の旗下岡部氏であったが,貞治2年12月,細川頼之に攻められて越智郡の世田山城が落城した時,重茂山城主岡部通常も討死にした。また,天授5年1月,再び侵入した細川勢を佐志久原に迎え撃って河野通堯が自刃した時,重茂山城主岡部通高も討死にしている。天正13年7月の小早川勢の四国攻めでは,城主岡部十郎はその先陣来島通総に抵抗して力戦したが及ばず,城は脱出したが,十郎夫妻は今治(いまばり)市野間で,息女や乳母は大西町山之内で自刃したと伝える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201722